「…母さん?」
すると、不安そうな悲しそうな苛立った声が私の後ろから聞こえた。
「寿二…?」
その声の正体は寿二。
私が後ろを振り向くと、寿二はお母さんを睨み付けている。
「帰れよ」
「寿二…」
「さっさと帰れや!!」
「…。」
寿二の怒鳴り声が病院に響いた。
「ちょ!?寿二?」
さすがに私もあせった。
「るっせぇ…姉貴は黙っとけ」
「…っ」
寿二の私をみる目は、あまりにも冷たい目で黙るしかなかった。
「なんできたんだよ!?はやく帰れ!お前なんて消えろ!!」
バキっ
寿二がそう言った瞬間突然奏が近づいて殴り飛ばした。
「いってぇ…」
「消えろとか言うな!!」
「…。」
珍しく奏が本気で怒っていた。
「消えろとか言うんじゃねぇ…」
怒ったかと思えば、今度は悲しそうな瞳で寿二を見つめる。
寿二は殴られた頬を抑え
「てめぇになにがわかんだよ!!」と怒鳴って病院から出ていった。
「寿二!!」と呼び止めるが寿二は止まることなく、どこかに行ってしまった。
「……いるわよ」
「え?」
お母さんが顔を附せて突然喋り出した。
「私は鉄二の無事が分かるまで此処にいる」
力強いお母さんの言葉に「…。」私は黙った。


