「奏…」

手を包んでくれているのは奏だった。

「…寿二から話は聞いた。」


そういや此処は奏が入院している病院だった。



「鉄二…」


手術室のランプが光っている。
ジッとそこを見た。


「大丈夫」


「え…」


「鉄二さんなら大丈夫」


「奏…」


「大丈夫」


奏はそう言ってギュッと手に力を強めた。


気がついたら私の震えはとまっていた。

それから十分後


「加那!!」


お母さんがやっと病院にきた。
「お母さん…」


「て、鉄二は!?」


ぜぇぜぇと息切れをしながら私の肩を掴んで聞いてきた。


「まだ…手術中」


「え…」


お母さんの顔がみるみる青くなっていく。