「うぉらあぁあぁあ」
昨日と同じように又気を失って終わった。
そして 又次の日もその又次の日も何度も加那に挑んできた。
そして毎日同じように加那に負けていた。
「…こりねぇな。こいつも」
俺は呆れた顔をして言った。
「…。」
珍しく今日は加那がさっさと帰らずにジッと倒れてる一膳の事を見ていた。
すると、ガッと気を失っていた一膳が気を取り戻して加那の足首を掴んだ。
「負けられねぇ」
一膳は下から上を見上げて加那を睨んでそう言った。
「明日…又喧嘩をうってこい」
加那は一言そう言い残して去って行った。
そして次の日ー…
一膳は加那が言った通り喧嘩をうってきた。
でも、いつもと違った。
それは、一膳の後ろに知らない男がいた。
「おい…まさかお前二人で加那に喧嘩売ろうとしてんのか?」
さすがに俺はそれが気に入らなくて一膳を眉間に皺を寄せて睨んだ。
「違う…こいつは俺の弟、泰。今日は偶々ついてきただけだ」
「ふーん、じゃあ…いい」
俺はそう言って、煙草を吸い出した。
そして数分後
喧嘩が始まった。
「うぉらあぁああぁ」
最初に殴りかかったのは、意外にも加那からだった。
一膳は、初めて加那の打撃を避けた。
「お!」
俺は思わず声を出してしまった。


