「あぁ?何?彼氏?」


金髪その1が、早苗の肩に腕を回して言う。


「や…えっと」




早苗の中学の友達には

彼氏って誤解されてるけど、

実際はただの…親戚?

いや、早苗と親戚かどうかは分からないし

ってことはつまり…"同居人"?




頭を悩ませていると、

早苗が軽やかに言い放つ。


「彼氏ですが、何か?」


でまかせ、とすぐ分かったけど

そんなに軽やかに言われると

照れちゃうじゃないか!


「君に釣り合ってないね」


「ぁあ〜!美女と野獣ってやつだ!」


「それだ、それ!お前頭いいな〜」




び、美女と野獣………

自覚はある。

早苗と俺じゃ、どう頑張っても

釣り合わないって。

しかし人に言われると結構凹む…。




金髪1と2が笑う。

茶髪1が早苗に何か囁いた。




うっわ、顔近い!近すぎ!

何を囁かれたのかは分からないけど

早苗は少しだけ顔を赤らめて、

俺と腕を組む。




「別に、人の好みなんて

どうでもいいじゃない!

むしろそっちは、花火大会に

男連れ?彼女いないわけ?

自分より年下の亮佑が

彼女連れてて悔しいだけなんでしょ。

そういうの、はっきり言ってダサいわよ」




うひょわーー!!!!!!

早苗さん、さ、さ、早苗さん!

この状況でそれはまずい…!