花火は20分程で、第一部が終わった。
最後を締めくくった、特大の花火に
ださいけど感動して、
胸がじーんってなった。
「綺麗だったね!亮佑!」
花火が終わり、まだ拍手が鳴り止まない中
円香が俺の腕をぎゅっと握った。
物凄く笑顔だけど…
その奥にいる人の視線が怖い!
突き刺さってるよ、心臓に!
「ははは」
笑って腕をなんとなく解き、
直之にパスした。
円香は顔をしかめたけど、
親友に殺されたくはない。
「綺麗だったな!…あれ?」
隣にいるはずの早苗に声を掛けたつもりが
早苗は少し離れたところにいて、
しかも男に囲まれていた。
ま、ま、まさか…
ナンパ?!こんな田舎で?!
慌てて駆け寄る。
「早苗!!」
すぐ振り向いた早苗は、
明らかに苛立っていた。
原因はすぐに分かった。
早苗を囲んでいた男たちは、
俗に言う"チャラ男"で
推測するに早苗が最も嫌いな人種だ。