夏 色 の 風





その話しはすぐに

早苗とばあちゃんに伝えた。




ばあちゃんは残念がってたけど

早苗はむしろ嬉しそうだ。




「やっっっと、熟睡出来る!」


「こら、早苗。お客さんに何てこと言うの」


「客のわりには態度がでかいわ。

真夜中あんなに騒ぐなんて、

礼儀知らずもいいとこよ!

あいつが医者になったのを想像すると

なんだか怖いわ」




ぁ、それ俺も分かる。

普通に注射間違えちゃったりしそう。

誤診はやめてね、医療ミスとか!




「とにかく、明日の午前中に帰るから。

今日の花火大会は予定通りで」




はいはい、と笑ったばあちゃんは

どこか嬉しそうだった。




何故だろう…何だかんだ言って

ばあちゃんも直之を

追い出したかったのか…?







――優しいフリしてあの子、

ワリとやるもんだねと〜♪

by.あみん









一瞬浮かんだその歌詞が

なんとなくばあちゃんに当て嵌まって

頭を振って忘れることにした。