宿題が終わって、麦茶を飲みながら
また進路の話しに戻った。
早苗は俺を"ガキ"と公言しながらも
「亮佑の進路は、これから
ゆっくり考えればいいのよ。
焦らなくていい」
そう言ってくれた。
だよな。
やっぱり俺、焦り過ぎて
暴走したみたいだ。頭が。
「あらら、亮佑。
宿題が終わったと思ったら
また新しい宿題が追加されたぞ。
さすがにコレは俺も手伝えねぇなぁ」
「あはは、本当。
あたしも無理だわ」
進路、かぁ。
まだどうなるか分からないけど
後悔しないような選択をしなきゃな…
なんだか少し賢くなった気分だ。
「あたしもしっかりしなきゃ…」
ぽつりと呟かれた早苗の言葉は
直之のでかい笑い声で掻き消えた。