夏 色 の 風





それから、俺と直之は仲良くなった。




試験前は一緒に勉強するし、

(というより、直之が俺に教えてくれる)

試験の答案が返ってきたら

また間違えたところを徹底的に

教えてもらった。




俺は天性の馬鹿だから、

直之も相当な苦労をしたけど

基礎から分からない俺を教えるために

自分も基礎をやり直したりするから

逆に成績が伸びたと言ってくれた。




俺も、クラスで真ん中くらいの

成績になって、担任からも見直された。








ぁあ、実はこいつ

めちゃくちゃいい奴なんじゃん…。





ただ、煩いだけで。

いつもはおちゃらけてるけど

実はいい奴なんだなぁ…







だから、俺は同じ高校を目指した。

俺が入れるような所じゃないって

周りは物凄く止めたけど。




さすがに受験は直之に

おんぶだっこ出来ないから、

親に頼みこんで家庭教師をつけてもらい

毎日夜遅くまで勉強した。









それで現在にいたる訳だが。

大学はさすがに無理だ…。




というか、大学に入ることは

直之の進路であって、

俺の進路ではない。




追い掛ける必要はないけど、

今のままで、同じ大学に行ったら

楽しいのかな、とも思う。





…でも医者っていったら

相当難しいよなぁ…。

俺には向いてないし。






あ゙あ゙あ゙〜…

俺、こういう考え事苦手だ…

頭がパンクする。




野菜たちよ、俺を癒してくれ…