夏 色 の 風





毎日ほぼ徹夜で。

昼も夜もお構いなしに。

こんなに勉強したんだ、

絶対にいい点取ってやる…!

そう意気込んでいた。














…が。

試験当日に、無理したのがピークになり

俺は高熱を出して学校を休んでしまった。




両親は「仕方ない」と言ったけど

クラスでは

『亮佑はテストが嫌でズル休みした』

と持ち切りになったらしい。




俺と仲良かった奴らが

ちゃんと弁護してくれたけど

熱が下がって翌日学校に行くと

みんな冷めた目で俺を見た。




それは、担任も同じだった。





みんなにぎゃふんと言わせるつもりが

逆に不信を生んでしまった。




努力したのが水の泡だ。

最悪だ…




本気で落ち込んでいた俺に

「どんまい、亮佑!

お前勉強してたの知ってるよ」

と声を掛けたのが、直之だった。




直之はわざとみんなに聞こえる声で

放課後教室で勉強してたこととか

授業中寝てばっかりの俺が

必死に授業聞いていた、とか

色々言ってくれたんだ。




「次回頑張ろうぜ。

次は俺が勉強教えてやるよ!

一人より全然覚えんぞ」




ニカッと笑って肩を叩いてくれた。