「あら、明日はお魚にしようかしら」
「魚か?じゃあ明日釣りに行って
とれたて新鮮な魚を持って行ってやる」
「あらあら、じゃあ明日はお肉にしますね」
「肉か?ワシの知り合いに養豚業者がおる。
ワシに貸しがあるからな、
新鮮な豚肉を山ほど奪ってきてやる」
「まぁまぁ。じゃあ明日のご飯は
何にしたらいいかしらねぇ」
こんな調子である。
樽澤さんは真剣そのものだったが
ばあちゃんはニッコリと笑って受け流し
カートの中に肉や魚を入れて行った。
「あぁ、樽澤さん。
お醤油がないんだったわ」
「醤油だな、よし、取って来てやる」
ばあちゃんは樽澤さんを
顎で使う。
樽澤さんはそんなことに気付かず
ルンルンで醤油を取りに行った。