急に呆れた顔になり、
直之は俺の肩に手を置いた。
「お前、分かってはいたけど
チキンだな」
「はぁ?!なんだよ!
俺はお前みたいに純粋に
恋愛を楽しめる状況じゃねーんだよ!」
俺だって、早苗が
同じ高校の友達だったらなぁ、とか
色々考えるんだ。
でも、親戚?だからこそ
俺たちはこうして同じ屋根の下で
期間限定ではあるけど一緒にいられる。
そういえば…
ずっと考えないようにしてたけど
早苗って何者なんだろう。
立石…って、早苗の何なんだろう。
俺が急に黙ったからか、
直之も話しを終わらせて
宿題に専念することにしたらしい。
俺の宿題を覗いては
「ここ!間違ってる!」
と何度もツッコミを入れられる。
面倒になって、直之の答えを
全部写させてもらった。
ここで過ごすのも、
あと1週間とちょっと…。
なんだか荒れそうだな、と
宿題を写しながら思った。