夏 色 の 風







テントが見え始めたころに、

――バチーン!

豪快な音が響いた。




早苗と顔を見合わせて笑う。

こりゃ、俺たちと同じパターンかな?




駆け足で戻ると、2人は

ものすごく困惑していてパニクっていた。




「あ゙ぁぁぁ!!!」


「わ゙ぁぁぁ!!!」




顔を見合わせてパクパク言っている。




「あたしに何したのよ変態ぃぃ」


「そっちこそ俺に何しやがった!?」


「あたしが何かする訳ないでしょ!

何かするとしたら直之じゃない!」


「なんだとぉぉっ!!

冗談やめろよ、お前みたいな貧乳に

手を出す訳ないだろー!!」




――バチーン!!




うん、今のは自業自得。

円香の胸がいくらまな板…失礼、

早苗ほどスタイルが良くなくても

さすがにそれは言い過ぎだろう。




「うわぁあん、亮佑ぇ!!

直之ってば最低なのー!」


「うん、もう一発ビンタ食らわせていい」


友人として、許可を出す!




こいつが実は頭いいって知ったら

みんなびっくりするんだろうな…

あぁ、なんか悔しい。