夏 色 の 風





「早苗、何も泣くこと…」


「うぅう…あっち行ってよ変態」




変態って…トマト恐怖症男の次は

変態ですか。

トマト恐怖症男の方が良かったな…。





仕方なく早苗の側を離れて、

身体中が痛いし痒いので背伸びをする。

腰がポキポキ音を立てた。

コンクリートの階段で寝たせいか

ケツが痛い。





泣かれるほど拒絶されるとはな…

さすがに打たれ強い俺も凹む。




どんどん膨らむ気持ちとは裏腹に

どんどん早苗に嫌われていく気がする。







はぁ、と重たいため息をついたところで

「そういやあの2人…どうなってんの?」

早苗もようやく顔を上げて、

真っ赤になった瞳で同調した。




涙を拭い、俺とぴったり2mの距離を保ち

2人でテントに戻る。





中は…すさまじいことになっていた。

















衝撃1。

何故か直之が下着姿。















衝撃2。

何故か円香が直之の背中に

ぴったりくっついていて

足を絡めている。












衝撃その3。

2人ともすごく幸せそうな顔で寝ている。