翌朝は、早苗のビンタで目覚めた。




「ぶっわ?!」


「"ぶっわ?!"じゃないわよ、

このスケベー!」




外はまだ紺色で、

東の空が明るくなっていた。

まだ4時、5時くらいだろう。




早苗は顔を真っ赤にしていた。

肩がちょっと痺れてる…ってことは

早苗はあのまま寝続けたのか?




俺もそのまま寝ちゃったけど。

おかげで腕が蚊に刺されていた。




「もうっ、馬鹿馬鹿馬鹿!」


「だって早苗が俺のほうに寄り掛かるから

起こしたらまずいかなーと配慮して

俺もそのまま寝ちゃったんだよ。

別に悪気はないって!」




嘘だけど。

事実を知ったら早苗にマジで

殺されてしまいそうだ。





「だっ、だからって!

…うぅ、恥ずかしい」


「ごめん…起こせばよかった?」




ぶんぶん首を縦に振る早苗。

そんなに俺との添い寝が嫌でしたか。




あまりにも恥ずかしくなったのか

早苗はしゃがみこんで、俯いて

動かなくなってしまった。




…どうしよう。

考えあぐねていると、

啜り泣きが聞こえてくる。