「風邪引いちゃうから着替えなよ!」
円香に言われ、みんなが
夕飯の支度をしている最中に
一人テントで着替える俺。
一応着替え持っててよかった。
まぁ、こうなると想定してたんでね。
外ではワイワイ、キャッキャと
晩飯の支度が進む。
早く仲間に加わりたいが、
濡れた衣服を剥ぎ取り、
タオルで身体を拭いてから着替えるので
結構時間がかかってしまう。
「亮佑まだぁー?」
玉葱を持った円香が、
ノックや声掛けもなくテントを開け
下着姿の俺とばっちり目が合ってしまう。
……ノック…せめて声掛けてよ…。
泣きそうな俺と、若干顔を赤くした円香。
「ごっ、ごめん!!」
全力でテントのチャックを閉められ
それもなんだか傷付いてしまう。
外からは
「亮佑の裸見ちゃったー!」
って…下着姿!!!
裸じゃないっつーの!
ゲラゲラ笑う直之の声に
よりいっそう凹む…。
着替えてから、外に出て
脱いだ服を絞って近くの木に干した。
Tシャツからは尋常じゃない水が出てきて
泣きたいのは俺だよ…とさらに凹む。
ようやくみんなと合流したものの
早苗からは白い目で見られるわ、
円香と直之に弄られるわで…。
ぁあ、なんで?!
俺ばっかりこんな目に合うんだろう。

