それから2日後、

直之がばあちゃん家にやって来た。




バス停まで早苗と迎えに行くと、

「やっほーい!久しぶりだなぁ、亮佑!

日焼けしたなぁ…すげぇ真っ黒!」

と、いつものテンション。




早苗はこういうテンションが

うざったいらしく、不機嫌全開の顔で

俺を睨みつけた。




さすがの俺も、直之を呼んだことを

ちょっぴり後悔する。





「ぁっ、君が早苗ちゃん?

オレ、高橋 直之でぇーっ…」


「挨拶は後にして。

さっさと家に行きましょ」




"す"を小さく口の中で呟いて、

さっさと歩きだした早苗を確認してから

俺に詰め寄って来る。




「あの子が亮佑の言ってた早苗ちゃん?

愛想悪いなー、感じ悪ぃー」




お前のテンションが高すぎるからだよ…

トホホ、と直之の肩を叩き

直之の荷物を持って早苗の後を追う。




「なんだよー、客人を置いてくなー!!」





蝉の声に混じって、

直之の叫び声が大空に消えて行く。





はぁ、こりゃ…大変なことをしたかな…





背中でそれを聞いて、

直之の荷物が一層重く感じた。