夏 色 の 風





ちょっと俺を睨みつける。



「…立石です」



立石…たていし…タテイシ…

うん。聞いたことない。




西武ラ○オンズの

ピッチャーではなさそうだし。




そちらは?と聞かれたので

「い、壱逗 亮佑です」

答えてやった。

ハスキーな声が少し羨ましい。




「亮佑…って、あなたですか」


「は…ぁあ、はい。俺ですが」


ふっ…


…今、鼻で笑われた?!


俺コイツと初対面なのに。


鼻で笑うなっ!!!




「で、どのようなご用件すか?」

「ぁあ、早苗はいないんですか?」

「学校ですけど」

「なんだ、美術室にいたのか。

じゃあ、申し訳ないけど

僕が尋ねて来たと伝えて下さい。

伝えてくれれば…

それで分かると思いますので」




そう言って去って行く立石…。

高身長だし…中々イケメンだし…。




結構モテる系?

早苗とはどういう関係なんだろ…





気になることが多すぎるけど、

すぐにばあちゃんに呼ばれた。




「樽澤さんが車出してくれるから、

スーパーマーケットに行きましょう」




樽澤さんは、ばあちゃんと一緒に

お茶会してた人で、

時々車を出してくれるらしい。