夏 色 の 風





俺の部屋は、客間として

使われている1番奥の部屋。

荷物を置いてから、

ばあちゃんの寝室に向かう。




平屋建てのこの家は、

田舎なだけあって結構広くて

今は使っていない部屋がたくさんある。




簡単に説明すると、

玄関を中央に、右側が居住区

左側は立入禁止って感じだ。





ばあちゃんの寝室には

仏壇があって、花で綺麗に飾られている。

仏壇には死んだじいちゃんの写真、

母さんのお姉さん…つまり叔母さんの

写真が飾られている。




叔母さんは5年前、

飲酒運転の車に轢かれて亡くなった。

じいちゃんは俺が幼稚園のころ、

病気で亡くなった。

俺の思い出にあるじいちゃんは、

何本ものチューブが身体にささってて

いつもふにゃり、と笑っていた。




線香に火をつけ、両手を合わせる。




『久しぶり、亮佑だよ』




心の中で話しかけ、もう一度

写真を見てから、居間に行く。