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肩の荷が下りた。
円香はベッドにダイブしながら、
ふぅっと息を吐いた。
ここ数日モヤモヤしていたものが
やっとスッキリした。
同時に、頭の中の整理もついて
ようやく自分の気持ちに素直になれた。
「あたし、馬鹿だなぁ」
何故、今まで気付かなかったんだ。
何故、"あの時"気付けなかったんだ。
今更"あの時"に戻ることは出来ないし、
出来たとしても、きっと自分は
また可愛いげもなく強がって
本当の気持ちを言えずに終わるだろう。
ゆっくり瞼を閉じると、
先程、輝と交わした会話が蘇る。
まず初めに、直之の彼女ではないこと、
直之が見せた写真とは別人であることを
説明し、きちんと名乗った。
最初は困惑しながらも、
輝はきちんと話しを聞いてくれた。
『輝ちゃん。
あたし、やっぱりアイツが好きみたい。
素直に気持ちを表せられる
輝ちゃんが羨ましいな。
あたしは天の邪鬼だから、
素直になれないんだ。
でも今回のことで、ちゃんと
向き合う覚悟が出来た。
輝ちゃんが気付かせてくれたの。
ありがとう。それから、ごめんなさい。
アイツをあげる訳にはいきません。
どうしてもっていうなら、勝負だよ!
輝ちゃんに勝てる自信ないけど、
でもあたし、その時は戦うからね!』
精一杯の気持ちをぶつけた。
輝は、しばらく無言だった。
しかし、最後にぽつりと言ったのだ。
『そんな勝負をしても、
わたしの負けは確実ですわ。
お2人が成就されることを
応援させていただきます。
このわたしから奪ったんです、
責任を持って直之様を
幸せにしてさしあげてくださいね』
その後に掛かって来た直之との電話で
素直になろうと努力してみた。
…が、そう簡単に素直になれるなら
人間苦労しないというものだ。

