夏 色 の 風





「キャンプに行ったときは

直之が夜中騒ぐから2人とも

寝不足だったよな。直之と円香は

元気はつらつって感じでさ。

早苗は水遊びが始まった途端、

元気になってたけど。おかげで俺

全身びしょ濡れになったし!

…BBQは美味しかったよなー。

夜は怪談話しが始まって、

2人でテント抜け出して階段で寝たよな。

俺は蚊に刺されて痒いし…

早苗に文字通り、たたき起こされたし。

まぁ、でも俺より悲惨な奴いたけど」




直之が円香にキスをして、

起きた円香に誤解されて(半分事実)

ビンタされたんだっけ。

あの顔、傑作だったな…




「夏祭りは、いっぱい事件が起こり過ぎて

もう大変だったな…。

優雅に花火を楽しむどころじゃなかった…。

早苗が3人組に喧嘩売ったせいで

2人とも追いかけられて。

途中、お前裏切るし…。

いい人達だったから命があったものの…。

悪い奴らだったら俺、

今存在してないからね?!」




すいません、と珍しく早苗が頭を下げる。

俺は踏ん反り返って残り3口の

ハヤシライスを平らげた。