夏 色 の 風





ようやく円香を剥がしてから、

本題に入ることにした。




「今日、練習の合間に話したの。

初めは亮佑と立石先輩の

愚痴ばっかだったんだけど、

途中から申し訳なさそうにしてた。

あたしと亮佑が付き合ってるって

勘違いしてたのは、ちゃんと

誤解は解いたから。安心して」




申し訳なさそうにしてた?

そこが気になった。

円香もやはり気になったようで

さらに突っ込んだ話しを

聞き出したらしい。…さすが。




「ナエちゃん、亮佑に避けられてるって。

それは亮佑が悪いけど、ナエちゃんは

自分が怒らせたからだって思ってるよ」




責めるような視線。

分かっているけど、思わず逸らす。




「俺が早苗を避けてるのは…。

別に早苗に怒ってるわけじゃないよ。

ただ、その…。直接早苗から

気持ちを聞けたことは良かったけど、

円香の言った通り、そう簡単に

早苗のこと忘れられないから…。

顔を合わせるのが辛かったんだ」




言わんこっちゃない、と顔をしかめて

円香は鼻息荒く、拳を振り上げた。




「あー、もうっ!

なんで今の台詞をナエちゃんに

直接言わないのよ!」




ビシッと俺に人差し指を向け、

険しい顔で円香は続けた。