「"きっと"」


「へっ?」


「"きっと"の続きはないのか?」




再び顔を真っ赤にさせる。

いつもと立場大逆転だ。

してやったり。




「ふぅん?そうなんだ?」


「ななな、何が?!何が、そうなの?」


「分かってるくせに。

それとも、声に出して欲しいわけ?」


「わわわわわ!!!

い、言ったら、今日仕入れた情報

喋らないわよ?!」




すっごい慌てっぷり。

これは、確実にアレだな。




もっと冷やかしてやりたいが、

これ以上円香を刺激しても

いいことはなさそうなのでやめた。




「ごめんごめん。

いつもと立場が逆転したから、つい。

調子に乗ってしまいました」


「亮佑のくせにぃー!!!!」


「あと、ありがとな。円香。

この前、喝入れてくれて」




今なら重い雰囲気にならずに

素直に謝れる気がした。

前回俺は、ネガティブ発言をして

円香を怒らせてしまった。

本来なら、会ってすぐ謝るとこだけど

円香がそうさせなかった。

いつもの笑顔で、触れさせなかった。




やっぱり円香は、アホなようで

しっかり考えてる。




円香の優しさに甘えようと思ったけど、

やっぱりちゃんと謝りたかった。




「別にっ!

…これで許してあーげるっ」




そう言って抱き着く円香。

俺は口で文句を言いながら、

これも今日で最後なのかも、と思うと

引きはがすまで、いつもより時間をかけた。