翌日、部活帰りの円香と

いつもの河原で待ち合わせをした。




「今日はナエちゃんも練習があったの!

可愛い過ぎて、立石先輩ファンは

かなり悔しがってた!

ドレス着たら本当のお姫様みたいに

なるんじゃないかな〜!」




キラキラした顔で話す円香。

話そうと思っていたのに、

そんな顔をされると言い出せない。




「もちろん、見に来るんでしょ?」


「はは…どうかな。分かんない」


「えー?!…ナエちゃんと何かあった?」


鋭い。

いや、俺の顔に出てしまっていたのか。


「………実は、」




どこから話せばいいか、

どう話せばいいか分からなくて

とりあえず、ざっくり話しをした。




「それってあたしのせいかも」


聞き終えてから、腕を組んで唸る。

それから"考える人の像"

みたいなポーズを取った。




「どういうこと?」


「あたしが当てつけた態度取ったのは

ナエちゃんの嫉妬心をメラメラさせよう

っていう大作戦だったんだけど。

その作戦が効き過ぎたのかもしれない」




うーん。

いまいち円香が何を言いたいのか

よく分からない。