夏 色 の 風





(ちょっと待ったーーー!!!

コレ、俺結構ヤバいパターン?!)




4人が亮佑を囲む理由に察しがつく。




"彼氏"である亮佑が、

"彼女"の早苗の家から

我が物顔で出て来たのだ。




キラキラした目で見つめられても

仕方ないと言えば仕方ない。




「あの、その…」


なんとか誤解を解こうとする。


「ナエちゃんの彼氏さん、よね?!」


亮佑の正面にいた女が、

1番目を輝かせている。


(なるほど、この人が4人のリーダーか)


納得する。

確かに、彼女からは

『アクティブ!ポジティブ!』

しか感じられない。

円香に似ているが、この勢いは

少し円香とは違っている。




「あ、あたしヒロコ!

こっちがアリサで、ノッポが嵯峨山で

ガリガリなのが峰岸!

あたし達はナエちゃんと同じ中学で、

まぁ…高校はバラバラになったけど

仲はまぁまぁいいの!」




(まぁまぁ…かよ!)


心の中でツッコミを入れる。

だが、心のツッコミが通じるはずがない。

彼女のマシンガントークは続く。