眩しい光に、

俺はゆっくり目を開けた。




初めはぼやけていた視界が

徐々にクリアになっていく。




ここは…ばあちゃん家の俺の部屋?




ゆっくり首を巡らせると、

俺に飛びつかん勢いで誰かが抱き着いた。




思わず、ぐぇっと布団の中で

転がってしまう。




「うわぁあんっ、亮佑ぇえ」




この反応で、大体誰だか予想ついたぞ…




「ま…ど…いた…」


『円香っ!痛ぇよ!!』と

言いたかったのに、

喉が言葉を紡ぐことが出来ない。




体力だけが取り柄だったのに…

俺は風邪を引いてしまったようです…




伝わったのか微妙だったが

円香はあっさり俺を離すと

布団をかけ直してくれた。




ん?っていうか俺…

なんでばあちゃんの家にいるんだ?




「もぉ、亮佑ったら心配かけてー!!

本当に…ぅう…馬鹿ぁあー!!」




円香が布団の横で泣いている。

ありがたいけど、まず

状況説明からお願いしたい。




そこへまた、誰かが部屋の扉を開けて

室内に入ってきた。

足しか見えないけど、多分ばあちゃんだ。




「亮ちゃん…気ぃついた?

よかった…あんたバス停で倒れてる所を

パトロールの人が見つけてくれたんだよ。

それで慌てて家に運んでねぇ。

少し前にお医者さん帰られたところ。

本当、ただの風邪でよかったわぁ。

あんたに何かあったら

ばあちゃん、菜々子に申し訳なくて…」




ぁあ、成る程。

俺やっぱりバス停で倒れたんだ…




すごく大騒ぎだったと、

円香が熱弁を始める。