愛美をベッドに寝かせつつ、

円香は遊園地での早苗との会話を

思い返す。




(結局答えて貰えなかったな…)




早苗は昔から亮佑を

好きだったんだろうか。

明確な答えが出ないまま、

眠っている愛美の頬を撫でた。




(早く晩御飯の準備しなきゃ…)




しかし、頭の中がぼんやりする。

やっぱりファミレスの件が

響いてるんだろうか。




ベッドにもたれて、まどろむ意識に

身を任せ、円香は目を閉じた――――



















――――目を開くと、そこは

見慣れた天井だった。

時計を見ると、もう夕方。




そういえば、お昼寝のつもりで

少し横になったつもりが

すっかり眠ってしまったようだ。




一度起き上がって外を見ると

寝る前まで降っていた雨が、

窓に打ち付けるほど強くなっていた。

しかも風が強いのか、風が

マンションに当たって大きな音をたてる。

(なぁーんだ…夢かぁ…

夢でもいいから、ナエちゃんの気持ち

聞いておきたかったな…)

はぁ、と息を吐き出す。




「円香ちゃん」


呼ばれて、円香は入口を振り返った。

ハルばぁが焦った顔をしている。


「どしたの?」


「大変なの…ナツさんとこの

お孫さんが……」


すぐに誰か想像がつく。


「亮佑?…亮佑がどうしたの?!」




円香はベッドから飛び降りて、

リビングへ急いだ。