夏 色 の 風





「ナエちゃんは…

やっぱり亮佑が好きだった?」




何気なく口から出た言葉の意味に気付き

円香は、はっと手で口を塞いだ。

早苗は目を丸くさせ、

ジェットコースターの上から手を振る

立石と愛美に手を振り返す。




「ごっ、ごめん!変な意味は…」


「いいよ、別に。

ぷっ、何そのうろたえ方〜

本当に昔、あたしをイジメてた人?」


「それは、その…ゴメンナサイ」


「いいって〜、もう気にしてないし!」


(じゃあ言わないでよ!

あたしが気にするじゃん!!)




心の中でツッコミを入れつつ、

ここは反論すべきところではないと

自重して話しを変えた。




先程ファミレスで会った、

金髪その1の話しを言って聞かせると

早苗は大爆笑でお腹を抱えて笑った。




その後も、中学の頃の話しや

高校の話し、社会人になってからの

愚痴や可笑しかった話しを

止まることなく話し続けた。




途中、愛美が疲れて寝てしまい

一度早苗の家に帰ってから、

チャイルドシートを移動させ

早苗と立石にお礼を言って帰宅した。