店員がパスタを運んで来る頃には
金髪1は円香に大きく手を振って
元気よく店を出て行った。
会計は、金髪1が払っていた。
お昼を食べに来ただけなのに、
面倒な奴に捕まってしまった。
携帯を見ると12時半になっていた。
大急ぎでパスタを食べて、
会計を済ませて車に乗る。
一回家に帰って、買った物を
冷蔵庫に突っ込んでから
早苗の家に向かった。
早苗はナツばあちゃんの家に住んでいる。
ナツばあちゃんが、高齢を理由に
老人ホームに入ったため
家を空っぽにするのが不安だったらしい。
「お、お待たせ…」
げっそりした円香が、
早苗の家に着いたのは1時を
少し過ぎたころだった。
円香の様子に、早苗は何か察したのか
そっと肩に手を置いた。
「ママー!!おかえりなさいっ」
子供に全力の笑顔でそう言われ、
円香の笑顔は微妙に引き攣る。
(おかえりなさいって……
ここナエちゃん家なんだけどね…)
とりあえず中に入り、居間でくつろぐ。
その間に早苗と立石が行き先について
相談していた。
円香は子供の昨夜の話しを聞いていた。
「ママ、私、ここに住む!!」
「ダーメ。ここはナエちゃんのお家だから。
あなたはママとお家に帰ろうね」
「……じゃあ、私ココの家の子供になる」
(なんだとーーー!!!)
円香は心の中で、泣いていた。

