「いっやぁ、本当に
まさかだね!こんなところで会うなんて!
今何やってんの?結婚した?
あっ、もしかして連れ2と?
あー、なるほどねー!!
お似合いって感じだったもんね!
ちょっとお節介だけど胸大きくなった?」
(ちょっとじゃない!!かなりお節介!!
あたしこの人と全っ然関わってないのに
なんで覚えてるの!!特に胸!!)
口を挟む余地もないまま、
金髪1は喋り続ける。
「いやぁ、俺もさ。
あの頃はやんちゃしてたんだけど
最近落ち着いてさぁ。
今じゃちゃんと仕事してるんだ。
葉那がね、妊娠したんだ!!
もー、なんていうの?
遊んでた男もさ、子供出来た途端
真面目になるとか言うじゃん?!
アレ、まじ俺のためにある言葉だと
思うんだよね!!!
でねでね、他に2人いたじゃない。
あいつらもちゃんと真面目に
仕事してんだぜ?すごくね?
茶髪頭のあいつは美容師になったし、
もう1人の金髪頭は自動車会社の
営業やってんだ。勿論頭真っ黒で!
人間やろうと思えば出来んだなぁ…」
くぅ、と鼻を啜って
勝手に感傷に浸っている。
店員が気まずそうにアイスティーを
運んできたのだが、
それも無視して金髪1はまた話しだす。
「なぁなぁ!!
早苗ちゃん元気にしてんの?
亮佑と結婚したんだろ?
子供とかいるのかな…
出来れば葉那とママ友になって欲しい!
早苗ちゃんと亮佑の子供かぁ…
いや、絶対可愛いね!うん。
絶対可愛い!!いや、うちの子が一番!」
(亮佑と結婚したのはあたしですが…
どうしよう、言い出せない。
なんかすごい勘違いされてる)
困っていると、葉那が近付いてきて
金髪1の耳を引っ張る。
痛がる金髪1を華麗に無視。
「この子、困ってるじゃん。
いい加減にしないと、ココのお会計
あんたもちだからね」
「ひっ、ひどい!!
ごめんね連れ1!またね!」
やっと自分の席に帰った。

