夏 色 の 風





2人が結婚して、早4年が過ぎた。

子供は1人。今日は親友の早苗の家に

お泊りをしている。




最近は母親である円香よりも

早苗おばちゃんのほうに懐いてしまい

頭を抱える毎日だ。




亮佑は、高校1年の夏以降

たびたび田舎に遊びに来ていて

22歳の時、円香にプロポーズし

ばあちゃんの家の近所に新しく建った

マンションで暮らしている。

仕事は普通のサラリーマン。

車で30分かけて会社まで行き、

夜は10時過ぎに帰って来る。




亮佑は支度を終え、仕事に向かう。

円香は玄関まで見送り、

いってきますのキスをねだった。

亮佑は照れ隠しなのか、怒った顔で

「もう新婚じゃねーんだから」

なんて言う。

だけど最後は必ずキスして出掛ける。




「いってらっしゃーい!」


エレベーターに亮佑が乗り込むのを

きちんと確認してから扉を閉める。

いつもは子供の幼稚園の準備もあって

かなり忙しいのだが、

今日は休園日で幼稚園はないし、

早苗の所にいるので

ドタバタしなくて済む。




ふー、っとリビングのソファに座り

思い切り伸びをしてテレビをつけた。

朝の情報番組は毎朝必ずチェックする。

新聞をとっていないので、

広告が入らないため、近くのスーパーの

セールの日や、何が安いかを

しっかりチェックする必要があるのだ。