夏 色 の 風





もう、とばあちゃんが顔をしかめて

こっそり「美術部なの」と教えてくれる。




なんだか本を読んでるイメージだが

なるほど、美術部と言われても

しっくりくる。




「亮ちゃんは今日から

ばあちゃんの手伝いしてちょうだいね!

菜々子から許可は貰い済みだから!」


「げっ、まじ?!」




母さんよ…俺は一体何なんだ…。




「いいじゃない。

どうせすることないんでしょ?

働きなさいよ、木偶の坊」


「で、木偶の坊っ!?

俺は体力には自信があるんだよ!」


「あっそ。じゃあ訂正するわ」




早々と食事を済ませ、

食器を流しに片付けて

お弁当、かばんを持ちながら

早苗はニヤリと笑って言った。




「筋肉バカ」




そしてそのまま、

ルンルーンと軽やかに出かけて行った。




「ぷっ」


「ばあちゃんっ!!!」




わなわなと怒りが沸き起こる。

吐き出す場所がなくて、






「こんのぉー!!!!

女なんか嫌いだああああ」