テレビは台風のニュースばかり。

四国に上陸するらしい。

こっちは関係ねぇな、と思ったら

台風の進路を見るとこちらに

向かって来ていた。




冗談キツイぜ…




テレビを消して、部屋に戻る。

しかし部屋に入る直前、

――ピチョン、ピチョン…

不吉な音を聞いた。




ははは、きっと水道が………

ちゃんと締まってる。




ははは、きっと風呂が………

水は一滴も出ていない。




居間からではない。

台所でもない。風呂場でもない。

俺の部屋でもない。




ばあちゃんの部屋か、

早苗の部屋に絞られた。




念のため、バケツと雑巾を持って

廊下を進む。






――ピチョン、ピチョン、ピチョン…






ここだー!!






慌ててバケツで水をキャッチし、

びちゃびちゃになった部屋の

入口を丁寧に拭いた。




やっぱり雨漏りしたか…




よりによって……早苗の部屋で!




日中なのに部屋が暗いので、

勝手と知りつつ電気をつけた。




雨漏りの処置を完了し、

部屋の扉を出ようとして

またあの絵に目が止まった。

掛けられていた布が外れていた。