朝食を終えた後、円香が

俺に代わって手伝いをしたい!

と言うので、俺は部屋に戻った。




布団でも干そうか考えるが、

いつもならミンミン煩い蝉も

嫌気がさすほど真っ青な空も控えめで

空には重たそうな雲が漂う。




これは…今日は雨が降るな。

最近畑の水やりが大変だったから

今日は水やりしなくて済みそうだ。

あれは地味に腰に来るんだよなぁ…




近くにあった携帯を開く。

昨日の夜、早苗にメールしたが

今だ返事は来ない。

新着メールや、サーバーも問い合わせた。

正直今の自分は格好悪い。

新しくメールを送るのも躊躇われて

ため息交じりに携帯を閉じた。




「亮佑、暇?」


そこへ円香が、ノックもせずに

部屋に飛び込んで来た。




自分から代わるとか言ってたくせに

結局面倒になって俺に押し付けるパターン?




いつもなら流れ作業なので

どーってことはないが、

一度休んでしまうと面倒くさい。




だらだら立ち上がると、

円香が興奮気味に飛びついてきた。


「そんな嫌そうな顔しないでよ!

ねぇねぇ、ちょっと一緒に来て!」


ぁあ、やっぱり俺に

押し付けるつもりだったんだ…。


「へーい。何すりゃいいの?」


「来てからの、おっ楽しみ!早くー」


ぐいぐい手を引かれるまま廊下に出て、

風呂を挟んだ隣の部屋に移動した。




扉の前で、エヘヘと笑う円香。




いや、エヘヘで済まないよ?










この部屋は――早苗の部屋だ。