夏 色 の 風





朝食を食べたあと、

円香はシャワーを借りて汗を流し

俺とばあちゃんは片付けをした。

早苗は、今日はバイトも休みらしく

雑誌を広げて居間に寝転んでいる。




シャワーを終えた円香も、

早苗と一緒に寝転がって

携帯をいじりだした。




あまり知りたくない女子の生態…




俺は朝食の片付けをしたあと、

掃除機をばあちゃんに任せて

洗濯機を回す。回っている間に

窓拭きをテキパキこなした。




「亮佑って働き者ねぇ」


「んーそぉ?」


「だってナエちゃんより働いてる」


「ちょっと!あたしが

サボってるみたいじゃないのー」


「え?違うの?」


円香の疑わしい物を見る視線で

早苗を凝視する。

少し不満に思ったのか、

早苗は立ち上がって俺を手伝い始めた。




しかし…申し訳ないが……




邪魔。




「なんでこっち来るのよ!」


「バケツそこだもん!仕方ないだろ」




円香は楽しそうに笑いながら、

携帯をいじることに余念がない。




そんな感じで窓拭きをいつもより

時間をかけながら終えた。




「あー、もうクタクタぁ」


「ナエちゃん亮佑の邪魔してただけじゃん」


「失礼ね!手伝ってたの!」


「そうは見えない…」




ぽつりと呟く円香に、激しく同意する。

そういえば前にばあちゃんが、

『亮ちゃんは仕事が早くて助かるわぁ』

なんてこと言っていた。




なるほど、頭では敵わないけど

身体を使ったことは俺の勝ちだ!!




自信を失った早苗に対し、

俺はかなり自信を持った。




ありがとう!