翌朝。
「ひぃあー!!
無許可外泊しちゃった…
あたし不良娘だぁあー」
円香の叫び声で目が覚めた。
まだ6時半にもなってない。
なんて迷惑な…都会だったら
近所迷惑で怒られるぞ、おい。
着替えて身支度を整えてから居間に行く。
円香がテーブルに俯せになっていた。
それをばあちゃんが、事情を説明している。
円香の家のばあちゃんと、
うちのばあちゃんは仲がいいらしく
昨日のうちにちゃんと連絡は入れてある。
もちろん、お酒を飲んだから、なんて
言えないから、適当に嘘を
並べただけみたいだけど。
「おはよー」
「亮佑ぇ…おはよ……」
円香の落ち込みかたは半端ではない。
「うるっさいなー…
あー、頭痛い」
早苗も起きてくる。
シャワーを浴びた後らしく、
濡れた頭にタオルを乗っけていた。
「ナエちゃーん!!
あたし不良娘だぁあ」
「えぇ?何それ…
ぁ、なんでこんな朝っぱらから
円香がいるの?泊まったの?」
ちょ…!
傷に塩を塗りたくるようなことを…
よくも言ってくれたもんだ。
昨日のことを全く覚えてないんだろうか。
円香は少し上げていた頭を、
勢いよくテーブルにたたき付けた。
――ゴン!!
痛そうな音がする。
「まぁまぁ。
早苗、髪を乾かしたら畑に行って
トマトとインゲンを取ってきてね」
「はーい…亮佑も行こ」
早苗に誘われて、
髪を乾かし終わるまで円香を慰め、
畑に野菜を収穫しに行った。

