予想通り、餃子パーティーは
最初から盛り上がった。
大量の餃子もペろりとなくなった。
「ほら、やっぱり足りなかった」
ばあちゃんはそう言いながら、
得意げに台所に行き、冷蔵庫から
大きなボールと豚肉を持って
居間に戻って来た。
早苗が察して、空になった
ホットプレートを洗いに行く。
「何?まだ何かあんの?」
「これから2回戦が始まるの!」
何故かご飯が出されなかったため、
正直物足りなかった俺は
2回戦という言葉に胸を踊らせた。
円香もワクワクした顔で待つ。
洗われて綺麗に水切りされた
ホットプレートに油が敷かれる。
ばあちゃんはボールの中身を
お玉ですくって流し入れた。
さらに、その生地の上に豚肉を乗せ
両面をきつね色にしてから
上からソースとマヨネーズ、
青海苔と鰹節をかけた。
「なるほど、お好み焼きね!」
「だから白米がなかったのかぁ」
でもこれじゃ、餃子パーティーって
呼べないんじゃないか…?
俺の疑問はあえて言わない。
女子全員から無言の圧力を駆使されたら
困るのは確実に俺だ。
…不用意な発言は控えましょう。
「うまっ」
「来たかいがあった〜!
あたしの目的は餃子よりこっちだったの」
楽しそうに笑う円香に対し、
ばあちゃんは複雑そうな顔で笑った。

