夏 色 の 風





部屋に戻って、荷物を片付ける。




ったく、なんだよあの女!

あの斜め上から送り出される

視線といい!態度といい!

ほんとに腹立つ!何様だっつーの!




イライラしながら手を動かすと

あらかた片付け終わった。




畳の床にごろんと寝転がり、

テーブルに放置していた携帯を引き寄せ

メールを打つ。




『やっぱ家残れば良かった』




ばあちゃんに久しぶりに会えたことは

嬉しかったけど。…けーどー。




『なんだよ、着いてすぐかよ』




すぐに返事が届く。

俺だって、まさかこんな展開になるとは

思わなかったよ…。




『ばぁちゃん家に身元不明の

女がいたんだよ…。しかもタメ』


『女ー!?

おいおい亮佑くんよぉ、

自慢したいならそう言えばいいだろ?

素敵な夏休みになりそうね\(^0^)/』




はぁ…直之には分かるまいよ、

その女がどんな奴で、どんな性格なのか…

はぁ…