俺は今日、円香が亮佑に
好意を持っていると確信した。
キャンプの時から
少し気になってはいたけど、
目の前であからさまに
アプローチをしている円香を見て
やっぱりそうだったのか…と
思わざる得なかった。
だけど亮佑の目は早苗しか
見ていないようで、
こんなにはっきりと分かるのに
気付いていない。鈍感な奴め。
２人がいなくなって
２人きりになっても、
話題は亮佑のことばかり。
『亮佑って頭悪いよね。
あたしとどっこいどっこい』
『ねぇ、亮佑って都会じゃ
どんな感じなの？結構モテる？』
『亮佑って今まで付き合ったり
誰かに告白したり、されたり
したことあるのかなぁ』
こんな感じ。
亮佑からメールが来たときは
正直ホッとしてしまった。
いいとこ見せて、気を引こうと
射的にチャレンジするも失敗するし。
円香を呆れさせてしまった。
そして……
円香が亮佑に告白したことも
知っている。
早苗と２人で夜店に向かったけど
早苗が財布を忘れたと言って
２人で戻ったのだ。
そこで、聞いてしまった。
早苗は『邪魔しちゃダメね』と
夜店に戻ったけど、
さすがの俺も頭に血が上って
飛び出して行こうかと思った。
けど、しなかった。
むしゃくしゃした気持ちを
買い物で晴らそうと手当たり次第に買って
早苗に説教されてしまった。
『むしゃくしゃするのも分かるけど、
それじゃなんの解決にもならないでしょ。
告白するって決めたんでしょ？
男なら当たって砕けなさい』
と。
