夏 色 の 風





ふぅ、と息をついて

ようやくその場に座り込む。

仁平のポケットから携帯を出し

早苗と直之にそれぞれメールを送った。




「早苗はちゃんと逃げられたのか…?」




その疑問は、10秒ほどで解けた。


『まったく、まだ追い掛けられてるの?

あたしはもう、ばあちゃんの家よ。

直之はまだ帰宅してませーん』


この身の不幸を呪うしかない。




直之はまだ円香と一緒らしかった。

勝手に俺らが解散したことを知ると、

円香は怒ったようだが、円香が直之を

ばあちゃんの家まで

送って行くことになったらしい。

(直之は1人では家に帰れないため)




「よし…俺もそろそろ…」


動き出すか。

2人はどっか行ったみたいだし。




立ち上がろうとすると、

背後から伸びる薄い影に気が付いた。

数は2つ。ツンツンしてる頭には

見覚えがある。




ぁあ、コレってやばい展開じゃないか…?




覚悟して振り返ると、

やっぱり金髪1と茶髪がいた。




「みーぃつーけたー」







なんて日なんだ、今日は。