夏 色 の 風





そこから、円香は

俺を好きになった経緯を話してくれた。




「亮佑がどれくらい鈍感か、

教えてあげる」




そう、それは

円香と初めて会った日に遡る。




円香は、以前から俺の話しを

早苗から聞いていたらしい。

愚痴とか、笑い話とかのネタに。




それで、ぜひ会ってみたい!と

円香が言いだし、

最初は拒否されたものの

3度目のお願いでようやく許可された。




ルンルン、ワクワクでばあちゃん家に来て

俺が風呂中だと知った。

早苗はそのまま青い顔で

風呂場に飛んで行った。

『何も知らずに、バスタオルで

外出歩かれたらまずいでしょ!』と

早苗は言ったらしい。




…俺は過去に1度、替えの下着を忘れて

すぐそこだし!まぁいっか!と

バスタオル巻いて出たら、

たまたま早苗と鉢合わせしたことがある。




きっとそうならないように注意しに

飛んできたんだろう。

まぁ、あの時は服着る直前だったから

早苗も安心して居間に戻って行ったが。




その後、無事生の俺と対面した。

正直顔は好みではないらしいが

早苗との掛け合いを見ていて


『こういう人が隣に

いてくれたらいいのになぁ』


と思ってくれた。

そこから円香いわく、強烈なほど

猛アタックしたらしいが…。




俺はただ遊ばれてるか、懐かれてるとしか

思わなかったんだよなぁ…。

俺、最低!