真剣な顔で、渡された銃を構える。
玉は5発。
狙う賞品はでかい熊の人形。
トラップは左右に揺れる
玩具のチューリップで、
狙う番号の札はその奥にある。
みんなが、直之の手元と
番号を見つめる。
『ヒュ〜〜〜』
『……ドン!!』
花火の音に合わせて、
直之は1発目を打った。
ゴムの玉は勢いよく銃から発射され、
番号目掛けて一直線に進み……
チューリップに当たった。
「ぁあ〜」
3人同時にため息が漏れる。
「なんの!まだ4発残ってる!」
再び構え、直之は集中した。
俺も、直之の手元に集中する。
『パン!』
発射された玉は惜しくも、
隣の番号に当たった。
札が倒れて、おじさんが番号の賞品の
"カエルの人形"をくれる。
「あたしが欲しいのはカエルじゃなくて
熊なの!ク・マ!!」
「分かってるって!次だ、次!」
直之が構える。
人形を渡された円香は、
いらない、と早苗に渡した。
『…パン!』
次も、チューリップの葉っぱ部分に当たる。
その次は、番号を通り過ぎて机に当たった。
「なにがスナイパーよ!
全然ダメじゃない!」
円香がふんっと背を向けた。
まぁまぁ、と早苗が諭す。
「ラストだぞ、気合い入れろ!」
「おぉ!!」
再び直之は構えて………
最後の1発を放った。

