僕らが伏見に着いた頃には何もかもがすべて終わっていた。



辺りに立ち込める黒い煙、

血の毒々しいつんとした匂い、

虫けらのように転がっている死体たち。



何回見てもこの光景だけはあまり好きにはなれない。



「遅かったようですね?」



「あぁ。」



僕の問いに土方さんは、うっとうしそうに答えてくれた。



無駄足、って言うのはまさにこれだ。



「副長、長州の残党を追撃をせよ。とのこと…。」


そこにどこから来たのか、観察方の山崎くんが来てそう告げた。