それは一瞬だった。 たった一時の瞬間で。 予想通り伊東さんは私へと刀を大きく振りかぶって、勿論、私も刀を振り下げた。 ただただ無心になって、振り切った。 それと同時に目の前を覆う赤。 あの日の出来事が思い出されてゾクリと全身に何かが走り粟立つ。 刀はカランと頼りない小さな音を立てて地へと落ちた。 伊東さんの、刀、が。