「ねぇ、先生は?」 僕は床には座らずに壁にもたれる。 相変わらずガチャガチャと箱の中をいじり続ける椿さんに声をかける。 「総司さんがもう少し遅くに来るだろうと思って、先生さっき離れに行っちゃったの。 今から呼んでくるね」 そう言って椿さんは薬箱をパタンと閉じた。 そう、先生。 僕は先生に会いに来たんだ。 松本良順先生に。