「ね、桜ちゃんはどう思う?」



沖田さんのその声で私は我に返った。




「何がですか?」と聞くとすぐに答えが返ってきた。





「お団子買って帰ろうか、ってことについてだよ」




沖田さんは明らかに目を輝かせている。


「いい考えだと…思いますよ?」




そんな沖田さんを見て、拒否なんてできるはずない。





「じゃぁ行こうか」


沖田さんは軽くリズムに乗って先頭をきって歩きだした。





仕方ないなぁ…



「私たちも行こっか」


私はため息混じりに言った。



立ち止まっている私たちなんか気にもとめない様子で沖田さんはどんどんと先に進んで行く。




見失う前に追いかけないと。



そう思って走りだしたとき、







「あ、っと…俺はもうちょっと見回るから二人で買いに行ってくれない?」