次の瞬間に瞳が捕らえたのは、うねうねとした木の模様の天井だった。 そしてズキリと身体に鈍い痛みが走った。 「やっと、目が覚めましたか。」 頭の右側でゴソゴソと動く影が目に入った。 この声は… 「山崎さん?」 自分でもびっくりするほど、かすれた小さな声が出た。 「まだ筋肉にあまり力がはいらないだけですよ。その内もどります。」 ほっ、と安寧のため息。 「それより、生きていてくれてなによりです。」