師走の朝は、寒い。 私はさらに布団の奥へと潜り込んだ。 あと少ししたら起きるとしよう。 だって起きるには寒いもの。 この寒い冬を過ごすのも二年目を迎えた。 きっと師走よりも、睦月や如月の方が寒いだろう。 私はそう思って布団から顔をだした。 「もうすぐ年末に、正月かぁ。」 天井に向かってそうつぶやいた。 時は足早に進む。 年の終わりに向けて。 慶応2年の一月に向けて…。