「うわぁー!!キレイですね、土方さん!!」 こいつは子どもか、と少し呆れたが、隣で興奮気味に話す桜を微笑ましく思った。 桜が「休むまで筆を返さない」なんて言うから、 休憩で散歩ついでに俺たちは紅葉を見に来ていた。 「京はやっぱり秋が一番ですね。」 桜の言うとおり、確かに京には秋が一番似合うと思う。 青く澄み渡る空に紅葉の朱がよく映える。 サワサワと吹く風に一つ、また一つと朱がヒラヒラと散ってゆく。 ああ…もうすぐ冬がくるー…。