…強くならなきゃ。 もっともっと強くならなきゃ。 ブンッと木刀を力強く振り、空中を斬る。 わかるんだ。 日に日に衰えていくのが。 わかるんだ。 少しずつ、弱くなっていくのが。 確実に死が近づいてくるのが。 僕にはわかるんだ。 「総司。」 誰かが僕を呼ぶ声で我に返った。 「一君…。」 その時、手にピリッとした刺激が走った。 木刀の握りすぎで手のひらのマメが潰れてしまったらしい。