「うひょー!!薩摩じゃあ!!初めての薩摩じゃあ!!」



初めての薩摩入国、隣の男は無駄にはしゃいでいた。




「まあまあ、そげん興奮することもなかろう。」





「やっぱり薩摩はすごいのう。思てた通りじゃ!!」




この台詞が何を意味するのか、少し心に引っかかるが
自国を褒められては悪い気はしない。




「それより、わざわざ薩摩まで出向いてまで聞いてほしい話とは?」




「西郷はんはせっかちやのぅ。そない焦らんでも。」




男は口を尖らせて拗ねた真似をした。




「聞く価値は当然あるのだろうな?」




そう言うと男はにんまりと笑いを浮かべた





「わしに、ちーっといい考えがあるんじゃ。」




この男の考えることには底がない。



退屈は、しない。




何か楽しませてくれることを期待し自分も薄く笑みを浮かべた。






「それは楽しみですなぁ、坂本どん?」